日々の備忘録

日々の出来事や考え事をまとめるためにつらつらと書いています

休日

秋なのに残暑が残り続けているのか、日中は夏の様に湿度が高い訳ではなく空気は乾いているがそれでも夏と変わらない暑さで、家を出て厚手のパーカーを着たことを後悔した。

風が吹いていて気持ちいい、髪の毛が頬を撫でる感触は好きだ。乾いた涼しい風が頬を撫でるのも好き。だから私はこの季節自転車で出かけることが1番多い。電車で行った方が近いと思っていても、別に電車賃には困らないのに自転車に乗る。

 

音楽アプリを開いて音楽をかけてイヤホンを耳にかける。目的地は特に決めていない。自転車で行ける範囲の遠い所がいい。疲れたらどこか喫茶店で休めばいいやと思いながら自転車に腰をかけた。パーカの下の肌が少し汗をかいてパーカーに張りつくが心地いい風が吹いて乾く、それでももう少し薄手の服を着るべきだったなと後悔する。

 隣の市まで来てしまったがまぁまだ遠くはないのでもう少し進む。少し疲れたのでコンビニの喫煙所で一服する。煙を吐きながら、国道を走る車を眺めた。忙しなく車は動いて排気ガスを垂れ流している、その傍を学校帰りの小学生が友達とはしゃぎながら帰っている。

 

煙草を吸い終わったので、再度自転車に腰をかけてペダルを踏む。もう少しで川が見える。とりあえずそこまで行こう。そこまで行ったら喫茶店を見つけて再度休もう。何か食べたいしと考えながら進んだ。

空はもう日が暮れていて赤くなっている。空の上の方はまだ青くて中間が紫で下が赤くなっている。この夕方の時間の空が1番好き。

昼間から夜に変わっていくこの瞬間が

バスから仕事帰りのサラリーマンが一斉に降りる。みんな同じ方向を向いて帰っている。疲れきったようか疲弊し切った顔を皆している。

わたしも仕事帰りあんな顔をしているのだろうか。少し悲しくなってサラリーマンを目で見送った。高校生達が自転車を漕ぎながら談笑している。青春だ、羨ましいな、私にもあんな頃はあったのだろうか。なかったような気がする。覚えているのは、友達が後ろに乗って煙草を吸って話していた事くらい。

 

いい感じの古びた喫茶店を見つけてアイスコーヒーを頼む。カウンターからお年を召したおじいさんがアイスコーヒーとお水を持ってきてくれる。灰皿を見つけて、煙草に火をつける。吸いながら、鞄から文庫本を出して読む。

今日は伊藤計劃の「Harmony」を持ってきた。伊藤計劃は高校生の時に初めて書店で見かけてそこから私のお気に入りになった。今現在出版されている長編小説は全て持っている。もう亡くなれているが、もし生きていたら、存命だったら彼はどんな物語を描いたのだろうと、彼の本を読むといつも思った。

そうして本を読み終わる頃には、すっかり日も暮れてしまって空は真っ暗になっていた。そろそろ家に帰ろう。そう思い、カウンターに座って新聞を読んでいたマスターに声をかけ代金を支払う。

再び自転車に腰をかけ、自宅に帰る。外はもう肌寒く、昼間に暑く感じていたパーカーも今では暖かいくらいでちょうどいい。

自宅に帰ると、父と兄が先に帰っていて麦酒を飲みながら夕飯を食べている。

この日は、唐揚げとナスの煮びたし

「ただいま」と言って私も手を洗い、冷蔵庫から麦酒を出し箸を出す。グラスを食器棚から出して注ぐ。金色の飲み物を、私はひとくち飲んで息をついて、晩御飯に箸をつけた。

 

そうして私の休日は慎ましく終わったのである。

次の休みは何にしよう。

 

あとがき、休日の話をしました。

まぁいいんじゃないでしょうか